「グローバリストはそのうち絶滅種になるかもしれない」とブルームバーグ

「グローバリストはそのうち絶滅種になるかもしれない」とブルームバーグ(2020年3月16日配信)。 グローバリズムがよって立つリカードの「比較優位」「自由貿易」の話は、完全雇用を前提とし、各国の発展度のちがいや政治的要素を勘定に入れていない(物理…

医者とバイアスージェローム・グループマン『医者は現場でどう考えるか』より。

ここのところ、バイアスについて考えている。 www.hirokatz.jp www.hirokatz.jp 人は誰も、バイアスから自由にはなれない。バイアスは、人間が危険を察知し瞬時に判断して行動するために発達したものだ。だからバイアスが常に悪者とは限らないし、もし我々が…

新型コロナ、バイアス、『ファクトフルネス』。

〈(略)瞬時に何かを判断する本能と、ドラマチックな物語を求める本能が、「ドラマチックすぎる世界の見方」と、世界についての誤解を生んでいる。〉(ハンス・ロスリング他『ファクトフルネス』日経BP p.23) バイアスの話。テラスと美食をこよなく愛する…

バイアスから自由になることはとても難しい、という話。

「目の前の模擬患者さんが南極観測隊に行くとして、シミュレーション問診してください。では、はじめ!」ずいぶん前に参加した、医者向けのとあるワークショップでの光景である。誰かを不用意に批判する意図は無いので、少し状況を変えて書く。 ワークショッ…

新型コロナウイルスに関するインチキ情報・嘘・デマや釣り情報に惑わされないために。

新型コロナウイルス騒動で改めて痛感するのが、インチキ情報・嘘情報がこんなにも出回るのか、ということである。 たまたま自分の専門分野だから気付くというのは大きいが、こうしたインチキ情報・嘘情報にだまされないようにするにはどうしたらよいか。 凶…

新型コロナウイルスに対する社会不安を可視化するため「マスク指数/マスク・インデックス」を提案する。

新型コロナウイルスが怖くないとは言わないが、新型コロナウイルスに対する社会不安のほうがもっと怖い。社会不安が強ければ消費が冷え込み経済は縮小し人心が乱れる。社会不安が強いか弱いかを可視化するため「マスクindex」というのを考えてみた。 通勤電…

新型コロナウイルスに対する言説を5つに分類・整理して考える。

新型コロナウイルスに関し、さまざまな言説が飛びかっている。頭を整理するために、いくつかに分けて考える必要がある。複雑な事情は単純なものに切り分けて扱え、というのはデカルト以来の鉄則だ。 新型コロナウイルスに関して①一人の個人についての医学的…

みんなのためにこんなに頑張っているのに誰もわかってくれない、と思い始めたら。

「まあでも結局、自分が好きで始めたことだからな」ココロのバランスを取る、魔法の言葉である。 生きているといろんなことがある。良かれと思って始めたことも、思わぬ批判に苦しむこともある。みんなのためにこんなに頑張ってるのに、誰もわかってくれない…

新型コロナウイルスに対する社会不安による社会変容について考える

新型コロナウイルスに対する社会不安による社会変容について考える。この話は大仏とピラミッドを目指して駆け足で進んでゆく。 ジャレド・ダイヤモンドは著書『鉄・病原菌・銃』の中で、ヨーロッパ人が世界を征服できた理由の一つとして病原菌をあげた。ヨー…

新型コロナウイルス肺炎COVID-19の流行への社会不安はいつ収束/終息するか考。

新型コロナウイルス肺炎はいつ落ちつくのだろうかと考えてみる。正確に言うと、新型コロナウイルス肺炎への社会不安がいつ落ちつくのか、ということを推定してみる。 社会不安が落ちつくためには、どこかしらが収束宣言を出すことが必要となる。医学的現象と…

町医者が新型コロナウイルスCOVID-19についてお伝えしたいこと。

感染症とは、ウイルスや細菌と人間の綱引きです。ウイルスや細菌の力が強くて、 ウイルスや細菌>体力 の場合、人間が負けます。負けたら死にます。 人間の体力が強くて、 ウイルスや細菌<体力 の場合、人間が勝ちます。勝つと治ります。 人間は薬などの武…

ダイヤモンド・プリンセス号雑感ーそれぞれの集団はそれぞれの行動原理で動く。

「役所というのはね、『前例、条例、予算』で動くんです」西日本のとある市の市長だったKさんが言った。K市長(元市長だが、呼びやすい肩書きで書く)は地域の名士として長年地域づくりに取り組み、その後市長を務めた。地域づくりでの役所とのやりとりの中…

グレタさんと岩田さん。

岩田先生の言ってることはわかるが、やり方がエキセントリックだという批判をする人は、グレタさんのときも言ってることはわかるがやり方がエキセントリックだと批判したのだろうか。あるいはグレタさんは手放しで絶賛して岩田先生には「あのやりかたはちょ…

発言や行動に対する評価を人格に対する評価と混同しないほうがラク、という話。

発言や行動に対する批判を、人格に対する攻撃として捉える傾向がアジア人には比較的強い、という話を聞いたことがある。東大からロッテに入団し、その後コロンビア大学でMBAとった小林至氏が書いていたような、あるいはそれこそ岩田健太郎先生が書いていたか…

新型コロナと「大過なく」

〈「おかげさまで数十年間、大過なく仕事をしてこられまして、本日、無事に退職となりました」とある官僚の退職パーティでの挨拶を聞いて、リスクを回避し、減点を避ける我が国の役人の傾向を痛感した。リスクをとりにいく人物なら、「大過なく」などと言わ…

文化の潮目~アゲアゲ・ポジティブ・アッパー文化はいつ始まったのか考 その2

現代社会の主流文化を「常にハッピーであれ」「常に自分らしくあれ」「常に成長せよ」という同調圧力の強い、『アゲアゲ・ポジティブ・アッパー文化』ではないかと仮置きしていろいろ夢想している。いつか誰かが学術的に論考してくれることを祈りつつ、つら…

文化の潮目~アゲアゲ・ポジティブ・アッパー文化はいつ始まったのか考

www.hirokatz.jp 「no one is happy all the time. And that’s OK/いつもハッピーな人なんていやしない。そして、それでいいんだ」2019年にバーガーキングが打った広告のことを知ってから、ふわっとしたとりとめのないことを考えている。いったいどこで潮目…

縦読み王バーガーキングsays,「No one is happy all the time.And that's OK」

縦読み広告で話題のバーガーキングは、2019年にアメリカで「アンハッピー・セット」を売り出したという。もちろん、ゴールデンゲート、ビッグMの「ハッピー・セット」への皮肉である。「アンハッピー・セット」のキャッチコピーがとても良い。「いつもハッピ…

内村鑑三が星野リゾート星野佳路氏の祖父に贈った『成功の秘訣』

何か事を成そうとした時、あるいは自分の頭で考え自分の力で生きていこうとすればするほど、悩みというのは生まれてくる。そんなときには何か指針や名言にすがりたくなる。どうせすがるなら、指針やアドバイスは良質なもののほうがよい。 〈一、自己に頼るべ…

世間というものは、同情はしてくれても助けてはくれない、という話。

「タカハシくんね、世間というものは、同情はしてくれても、助けてはくれないものなんだよ」Y先生が言った。 そのころぼくは大学院生で、免疫学の勉強のためにY先生の教室に通っていた。冒頭の言葉を聞いたのは、ぼくが車上荒らしにあった話をした時だ。 Y先…

「わからん」と専門家。

「フランスに行って驚いたのはだね、君、バビンスキー反射あるだろう、彼らはひととおり患者を診察してバビンスキー反射も診て、それで平気で言うんだね、『わからん』と。そのころ日本じゃ、このくらいの角度だと陽性だとか陰性だとか延々と言ってるんだか…

のどが痛いから抗生物質を出してくださいと言う患者にイギリス人医師はどう対応するか。

<「喉がひどく痛いんです。なのに、なにひとつ効かなくて、悪くなるいっぽうなんです。ですからもっと強いお薬を処方してくだされば、それでいいんです」><「なるほど、"もっと強いお薬”をお望みなんですね。なにか具体的に考えているものがおありですか…

覇権とソフト・パワー2

〈(批准されなかった)欧州憲法の前文の冒頭には、「侵すことも奪うこともできない人間の権利、民主主義、平等、自由、法の支配という普遍的価値観が発達する元となった、ヨーロッパの文化的、宗教的、人道的な継承物」からインスピレーションを得たとある…

覇権とソフト・パワー1

〈ソフト・パワーとは何なのか。それは、強制や報酬ではなく、魅力によって望む結果を得る能力である。ソフト・パワーは国の文化、政治的な理想、政策的な魅力によって生まれる。〉〈ソフトパワーとは、自国が望む結果を他国も望むようにする力であり、他国…

2020年はじめ、「トレード・オフ」を思う。

年末年始休暇で北海道に行っていました。御多分にもれず北海道の観光地も大陸からのお客様でいっぱいです。 あまり盛り上がりませんが、2010年代が過ぎ2020年代に入りました。10年前の2010年といえば、日本のGDPが中国に抜かれた年でして、日本はこの10年間…

厚労省「人生会議」ポスターはなぜ炎上したのか考

<癌の末期患者に関するシンポジウムかなにかだったと思うが、国立がんセンターのH教授が発言した言葉だけを覚えている。 ある末期患者が「がんばって」と言われる度に苦痛の表情をしているのに気づき、痛み止めの注射をした後「私も後から旅立ちますから」…

親子というもの。

<親子の関係については、『かもめのジョナサン』という世界的ベストセラーを書いたリチャード・バックという作家も面白いことを言っていました。 彼とは対談をしたのですが、あれこれ話をしているうちに、何の気なしに「あなた、お子さんいるの?」と訊いた…

宝くじの正しい買い方。

悪魔の誘惑(笑) 宝くじの最も正しい買い方をさっき発見した。発売されたらすぐ買うのである。買う枚数はどうでもいいが、買う場所はどこまで効果を期待するかによる。 宝くじを最も正しく買う理由は、最も正しく使うためだ。では宝くじの最も正しい使い方…

ぼくらが中曽根康弘氏から学べるいくつかのこと。その7

ギョーカクにミンカツ。カタカナで書くとなんとなくB級グルメっぽいが、行革と民活と書く。行革、行政改革と民活、民間活力の略で、中曽根政権のころよく言われたスローガンである。 〈中曽根は当時、第一次答申の理念に関して、「フリードマン式の自由主義…

ぼくらが中曽根康弘氏から学べるいくつかのこと。その6

〈二〇〇三年十月二十三日午前九時十五分。約束の時間どおりに小泉純一郎総裁が、私の執務室の入り口にあらわれました。(略)彼の言葉を待ちますが、やはり小泉君は私を見ようとしない。ようやく目を合わさぬまま、口を開きました。「中曽根先生は、国内的…