『都営バスの全運転手に脳のMRI検査を義務付け』がなぜバカバカしいか、かみ砕いて説明する。

2018年11月13日のdmenuニュースによれば、都営バスで全運転手に脳のMRI検査を義務付けるとのこと。これは非常にバカバカしくて歴史に残る愚策である。 www.hirokatz.jp 目的は、運転手の失神による事故を無くすためだという。常識的な医者の目か…

医者の目から見て『都営バスの全運転手に脳のMRI検査を義務付け』がバカバカしい理由。

2018年11月13日朝のdmenuニュース(もとはNHK)によれば、東京都は都営バスの全運転手に3年に1度の脳MRI健診を義務づける、という。 都営バスの全運転手に脳のMRI検査義務づけ 東京都(NHKニュース&スポーツ)バスの運転手が病気や体調…

「教えて!ラジオクリニック」(ラジオ日本)に呼んでいただきました!

12月28日金曜日と来年1月4日に、ラジオ日本「教えて!ラジオクリニック」(お昼12時15分〜)に出ます! 今日はその収録で、神谷町のスタジオに呼んでいただきました。テーマは「脳神経内科で診る病気」と「パーキンソン病」です。お楽しみに!呼んでくださっ…

「かんたん表紙メーカー」で読みたい本の表紙を作ってみました。

この記事を読んで、簡単に本の表紙っぽいデザインがつくれる「かんたん表紙メーカー」をさっそく使ってみました。togetter.com 作ってみた架空本①「ふつうの風邪」はウイルスが原因なので、細菌をやつける抗生剤は要らないんですよ、という本(架空) 作って…

namengedächtnis/人の顔と名前を覚える能力がイマイチな人のためのちょっとしたハック

出会った人の顔と名前を覚えるのがとても得意な人がいる。 名前を覚えるための記憶力のことをドイツ語でnamengedächtnisというのだが、もちろん読めない。この単語のことは米原万里氏のエッセイで知った。このnamengedächtnis(読めない)の優れた人というの…

ケアマネージャーの方々に「神経難病とのかかわり」についてお話しさせていただきました。

本日は船橋でケアマネージャーの方々に「神経難病とのかかわり」についてお話しさせていただきました!約60人のケアマネージャーの方々に、約2時間半ほど熱心に聞いていただきました。かかわりの難しい神経難病ではありますが、これからも医療と福祉が連携し…

続・オシャレなお店はなぜアクセスのしにくいところにあるか問題

オシャレなお店はなぜアクセスのしにくいところにあるか問題。 オシャレなお店というのはちょっとアクセスの悪い場所にあることが多いが、その理由やメリットを先日考えた。 この話の大前提は、お店側の資金やマンパワーに限りがあるという点。 つまり、アッ…

オシャレなお店がわかりにくい場所にある理由。

こじんまりとした気の利いたレストラン、しっとりと落ち着いたバー、海外から取り寄せた雑貨を売る雑貨店、ハイセンスな服ばかりそろえた服屋。オシャレなお店はいろいろあるが、ちょっとだけアクセスの悪いところにあることが多い。繁華街のど真ん中、駅前…

組織や会社のトップにセクハラ・パワハラな人が跋扈する4つの理由。

スポーツ団体のえらい人のパワハラ問題などがずっとニュースをにぎわしている。 組織や会社のトップのほうにセクハラ・パワハラ的なとんでもない人がいる理由には少なくとも4つある。イメージしやすいように次長課長と仮置きする。お前に喰わせるタンメンは…

全米オープンに寄せられた感想「審判ももっと空気読めばよかったのに」に思う雑感。

テニスのことも大坂ナオミのこともなにも知らないし中継も見ていないんだけど、試合やブーイングについてのネット上のコメントで 「審判ももっと空気読めばよかったのに」 というものを見かけて立ち直れないほどの衝撃を受けた。立ち直るけど。「法」や「ル…

「プランS」がもたらす知の地殻変動

ヨーロッパの研究助成財団が、助成を受ける科学者に、オープンアクセスでない科学雑誌(含.nature、Science,cellなど)への投稿を禁じるのだという(「plan S」というそう。ソースは下記)。 Radical open-access plan could spell end to journal subscript…

「質」を生むには「量」とフィードバックが必要、という話。

とある陶芸教室で学生を2グループに分けた。片方のグループには、成績評価は作品の「量」によって行う、具体的には作った陶器の総量が50ポンドなら「A」評価、40ポンドなら「B」評価とすると告げた。もう片方のグループには従来どおり成績評価は「質」で行う…

架空キラキラ女子日記『大東京カレンダー』について。

この夏ずっとやっている遊びで、『大東京カレンダー 綾菜』ごっこというのがありまして。かの有名な『東京カレンダー 綾』のパロディです。 元ネタの『東京カレンダー 綾』は、秋田出身アパレル業界勤務の「綾」が東京という街で人と出会い暮らしていくとい…

東京医大の女子一律減点問題で現場の医者がいまいち歯切れが悪い理由。

東京医大で女子受験者が一律減点されていた件で、おおいなる批判がわきあがっている。医者のはしくれとして、「女性は不利」というのは聞いたことがあったが、面接などの選考過程を使ってもっと巧妙にやっているのかと思っていた。 で、「女子だからといって…

『今日のネタ帳』との住み分けの話。

ながらくこの『カエル先生・高橋宏和ブログ』でまじめなネタもふざけたネタも書いておりましたが、特にふざけたネタのほうが本業を圧迫する可能性が出てまいりました。 実生活では2017年10月から千葉県船橋市の中條医院というクリニックの院長をしてお…

結・正論7月号『セクハラはチンパンジーもやっている 長谷川三千子×竹内久美子』批判

3回ほど、雑誌正論7月号『セクハラはチンパンジーもやっている』という記事の批判を書いた。 www.hirokatz.jp www.hirokatz.jp www.hirokatz.jp 90年代の亡霊、竹内久美子氏の問題点として、 ①話に進歩がない。華々しくデビューしたときの成功体験を引きず…

続々・正論7月号『セクハラはチンパンジーもやっている 長谷川三千子×竹内久美子』批判

思ってたより話題にならなかった、雑誌正論7月号の記事『セクハラはチンパンジーもやっている 長谷川三千子×竹内久美子』。この批判の三回目です。一回目と二回目はこちら↓ www.hirokatz.jp www.hirokatz.jp 動物行動研究家、竹内久美子氏のよろしくないとこ…

続・正論7月号『セクハラはチンパンジーもやっている 長谷川三千子×竹内久美子』批判

90年代の亡霊か。 先日出た、雑誌正論2018年7月号記事、『セクハラはチンパンジーもやっている 長谷川三千子×竹内久美子』を読んだ感想だ。 竹内久美子氏がメジャーになったのは1990年代前半。 「生物学の理論を縦横無尽に駆使して社会評論を行い一世を風靡…

正論7月号「セクハラはチンパンジーもやっている 長谷川三千子✖️竹内久美子」批判

「セクハラは チンパンジーも やっている 長谷川三千子 竹内久美子」 575 77(注1)。筆者名も入れると短歌みたいになるそんな記事を、正論7月号が載せている。 記事の主旨は要するに、 〈竹内 生物の二大テーマが生存と繁殖。これしかないんです。セクハラも…

日大アメフト部事件に思う。

<まず、ネット上の情報は基本的に紙に書かれている情報がもとです。 誰かが、紙に書いた情報を、別の誰かが打ち込んで、それにコメントを付けて付加価値をつけていることになっています。 しかし、その付加価値がついたように思える情報は、実態的には、何…

『私たちはベストの治療・ケアができているのか』

慢性期の診療に従事していると、常に湧き上がってくる疑問がある。 それは、 私たちはベストの治療・ケアができているのか というものだ。 正しいと思って診断し、良かれと思って治療する。 だがしかし、今自分がやっている治療・ケアは本当にベストなのだろ…

ビジネス戦隊タイヘーン・ファイブ(R改)

オープニング曲に乗ってレディー我賀山とファースト田中、登場) レディー我賀山:どうも〜こんばんは。レディーです。ファースト田中:ファーストです。二人あわせて、レ、フ:れでぃ〜☆ファーストで〜す。 フ:いやーそれにしてもね、今でこそぼくらこうし…

健康情報は究極の個人情報‐『広島叡智学園・生徒全員に装着型端末』に明確に反対する。

www.chugoku-np.co.jp 「フランスに来た頃にやろうとしたことの一つに、日本型の会社の健康診断システムの導入があるんですよね」 フランスで長年活躍しているある人が言った。 「ほら、日本だと、会社が社員の定期健診をやるじゃないですか。ああいうのって…

迷惑かけよう・かけられよう

<コドモの頃、親にさんざん言われてきた言葉がある。それは「人様の迷惑になるんじゃない」というコトバだった。>(細川貂々『7年目の ツレがうつになりまして。』幻冬舎 2011年 p.72)「子どもに迷惑かけたくない」。そんな言葉を一日に何度聞くだろうか…

とある少年の物語。

とある国に、とある少年がいた。 少年はとても賢かったが、なぜだかいつも一人ぼっちだった。 少年は歴史に名を残したかった。 一生懸命に勉強し、その国で最も難しい学校に入った。 まわりの者は彼を優秀とほめそやしたが、ひとしきり彼をほめたたえたあと…

セクハラ財務省事務次官更迭のウワサに思う。

セクハラ疑惑がすっぱ抜かれた財務省事務次官氏の更迭がウワサされている(①)。 官庁オブ官庁、トップオブトップの財務省事務次官ともあろうかたがなんとまあお粗末な、とも思うがどこか一本ネジが外れていないと事務次官とかにはなれないのかもしれない。…

「ヴェヴァラサナ」の話。

「ヴェヴァラサナ」という言葉をお聞きになったことはあるだろうか。英語表記だとvevarasana、とつづる。 なんとなく聞いたことがあるというかたは相当のマニアかと思う。 「ヴェヴァラサナ」とは<本来は「彼らは(あるいは、人々は)尊敬し合う」という意…

コトーを読みながら3‐離島の医療を継続させる工夫とは(後編)

山田貴敏著『Dr.コトー診療所』を読みながら、昔訪れた沖縄の離島の診療所のことを思い出している。そこで垣間見た、地域医療を継続するための工夫あれこれとはー www.hirokatz.jp www.hirokatz.jp 4.医者の精神的負担を軽減するワンクッションコール制 「島…

コトーを読みながら2-離島の医療を継続させる工夫とは

マンガ『Dr.コトー診療所』を読みながら、かつて訪れた沖縄のとある島の診療所のことを思い出している。 www.hirokatz.jp 人口数百人、塩作りで有名なその島にうかがったのは今から10年前。一人の心熱きドクターがその島の医療を支えていたー と書くと、今に…

コトーを読みながらー沖縄ではなぜ昔から総合医療が盛んだったか。

勤務先の中條医院の待合室に医療医学マンガ文庫を充実させるべく、名作・有名作を少しずつ集めている。そのなかの一つに山田貴俊『Dr.コトー』がある。 www.hirokatz.jp 離島の古志木島の医師、五島健助、通称Dr.コトーの活躍を読みながら、ぼくはその昔…